どうぶつ と 自己実現
『こまねこ』とは違うフルCGのアニメが映画では主流ですね。
まぁこれはこれで楽しいものですよ。
そういえば去年の末はアニメ映画がいろいろやったなぁ……というこで、それらの感想でも書いてみる。いや、去年エントリしようと思ってたんだけど書くのが面倒くさくてね、夜は酔ってたし。
どの作品も自分探しというか、自分の居場所を見つけようとするお話でしたね。アイデンティティの確立みたいな、子供から大人へ成長する過程の葛藤を描いたみたいな感じで。
『オープン・シーズン』 監督:ジル・カルトン ロジャー・アラーズ 声の出演:マーティン・ローレンス アシュトン・カッチャー デブラ・メッシング ゲイリー・シニーズ 他 2006年/アメリカ/86分
で、まず『オープン・シーズン』。
小さいころに保護されてからずっと人間と生活していたんだけど、寝てる間に森に帰されちゃった。野生の生活なんかできないよ困ったよ、やってらんないよ変な鹿がつきまとってるし。そんな熊の話。
ソニー・ピクチャーズ初のフル3DCGアニメということですが、製作陣はディズニー出の人が多いみたい。確かに堅実で巧くできてますね。
お調子者のシカの方の声がマーティン・ローレンスだと思ってたんだけど、クマの方でしたね。ちょっとビックリ。ハリウッドの製作者側が日本語吹き替えの役者を指定してきたということで話題になりましたが、字幕で観てきました。
しかし、声優が有名なタレントだとか俳優だからといって映画を観にいく客ってそんなに多いのかな? ジャニーズとかだったら客が増えそうな気もしますが。
人間の下での悠々自適な生活と野生での動物らしい生活を天秤にかけて悩み、初めての友達が頼りないことに悩み、自分だって威張れたものじゃないことに悩む。バディとなるシカに共感はさっぱり持てなかったんですが、コミカルな森の動物たちが織りなすドタバタは楽しくて満足。押さえるところは押さえている感じかな。
まぁ、でも『アイスエイジ』なんかを既に観ているわけなんで、それほどの新味は感じられないよね。やっぱり冒険を避けた堅実な作品といった感じ。『森のリトル・ギャング』ってのもあったしなぁ……。
『ライアンを探せ!』 監督:スティーブ・ウィリアムズ 声の出演:キーファー・サザーランド グレッグ・サイプス ウィリアム・シャトナー 他 2006年/アメリカ/82分
そして大御所ディズニーの『ライアンを探せ!』です。
やっぱりフル3DCGアニメにはピクサーが噛まないとダメなのか? といった感想しか出てこないような作品でした。
ドリームワークスの『マダガスカル』の後にやるものじゃないよなぁ。キャラの動きも激しく、パロディも多い『マダガスカル』と比べるとコメディとしてはいくらか劣ってるしね。だいたい自分のところが作った『ファインディング・ニモ』と物語的にかぶってるじゃん。もうちょっと新しさというか違いの際立った作品を作ってほしかったなぁと。
いちばんいけないのは、キャラが可愛くないところだと思うんですけどね。
動物園に住むまともに吼えることができずいじけていたのライオンの子供が、なんかアフリカへの荷物に紛れ込んでしまい、お父さんライオンと頼りない仲間たちがその子ライオンを連れ戻すために冒険する話。
これはてんで観るべきところがないな。冒頭の、“一頭のライオン VS ヌー軍団”のアニメーションはなかなか素晴らしくてこの先の展開をとっても期待したものでしたが残念な結果に。まぁこの冒頭のシーンは見所かな。
しかし、字幕公開が日本全国でも数箇所しかないってのはどうしたもかね。アニメだからそう違和感は無いけれどもさ、『24』でも有名なキーファー・サザーランドだよ、声。もうちょっと字幕公開の劇場があってもいいでしょ。まぁ、少なくともジャック・バウアーと同じ声優を使うくらいの遊びはあっても良かったのではないかと。『サウスパーク 無修正映画版』を見習え。
『劇場版 どうぶつの森』 監督:志村錠児 声の出演:堀江由衣 折笠富美子 福圓美里 小林ゆう 他 2006年/日本/87分
そしてゲームでも人気の『どうぶつの森』の劇場作品。
去年の今頃、このゲームをやりたいなぁ思っていたんですが、その思いも既に過去形。売ってないんだもん、ニンテンドーDS Lite。
ということで、それほど興味もわかなかったんですが、
「ときどき岬にあらわれ、謎めいたことを話しては海に去っていく」キャラの声が三池崇史ということでちょっと興味を持ってしまいなんとなく観てきました。でもそのキャラが出てきたのはワンシーンだけだったんですよね。なんだそれ?
主人公の人間の女の子がある村に引っ越してきて、その村の住人たちと過ごす間に夢や目標を持ち、そしてそれを目指して頑張ろうというお話。
春夏秋冬の4つの季節のそれぞれの短編をつなげたような感じの作品ですが、一貫としたテーマやネタや伏線もある、思っていたよりしっかりしたストーリでビックリ。ゲームをやってる人はより楽しめるのかもしれませんが、ま、そうでなくてもそこそこ楽しめる作品に仕上がってますよ。もう少し鳥さん2人に伏線的なエピソードがあったら良かったのになと思いましたがね。キャラが多いので散漫になってしまった感じはあります。
これも別れあり冒険ありの正しい子供向けアニメ。丁寧に作られているんで好感が持てますね。
3Dで作ったものを2Dに直したような感じの画ですが、これはなかなかいい感じ。ゲームはポリゴンなんだっけ? そういえば、それより前にやった『アタゴオルは猫の森』は何でフル3Dアニメで作ったんだろうか? 意味ねぇなと思ったんだけどもさ、あれは。
ということで、それぞれ子供が成長していかなければ、と思うような真っ当な子供向けアニメーションでした。しかし、そんな大人からのメッセージより、ただ観て楽しめるのが一番ですよ、映画なんだしね。うん。
コマ撮り と ともだち
可愛らしい。
生き生きとして楽しそう。
そして時々色っぽい。
アニメーションの楽しさってのはこういうところにあるんだよなぁ、と感じました。上手く説明できないけど、やっぱ表現の仕方に制限があるからこそ製作者の意欲なんかがより見えてきて、それを感じられるところに楽しさがあるのかな、と思ったり。
ということで、“こま撮りえいが”『こまねこ』を観てきましたよ。
あのNHKのBS放送開始10周年記念キャラクターである『どーもくん』を生み出したという合田経郎監督の作品。それを聞いて俄然観にいく気になったですよ。はじめて『どーもくん』を観て即座にはまったことを思い出しました。クレーンゲームで人形をとりまくったものだなぁと。
『こまねこ』も同じように、ほのぼのした主人公のある日を描いたストップモーションアニメ。3つの立体アニメと2つの“半”立体アニメで構成された作品です。『よつばと!』なんかが好きな人なんかにおすすめできるのではないかと。3つの立体アニメ方はね。
とにかく劇場で公開する作品を作るきっかけになったという1話目の『はじめのいっぽ』は出色。こま撮りされたアニメの主人公が作品の中でこま撮りの作品を作るという、なんだか無茶な感じもするそんな構成を聞いただけで魅力を感じてしまう作品。
これがかなり楽しいです。冒頭のカーテンを閉める主人公の“こま”の楽しそうな動きを見ただけでこれはいいぞ、と思いました。ままならない作品作り。そして出来上がった映像。嬉しくなってきますね。
しかしあのディープキスはどうかと。こまちゃん、激しすぎませんか?
2話目、4話目は“半”立体アニメーション。これはまぁまぁ、といった感じ。ブレイク的なものと考えればなかなかかな。
3つめのお話は小道具ががしがし動くのが楽しいです。
最後の5話目はちょっと長めの作品。森で見かけた雪男に驚き持っていた人形を無くしてしまい悲しむこまでしたが、その後夜のうちに人形を家に届けてくれたのは雪男だと確信しもう一度会おうと頑張る話。タイプライターを叩いて外に出る“こま”が可愛い、こういう細かい演出も巧い感じ。こまの天真爛漫さというか素直な純真さがとってもいい気分にさせてくれましたよ。
けっこうセットの小物にも拘っていて隅々まで楽しめますね。スケッチブックにクレヨンで空を描くシーンなんか驚きましたよ。ホント細かいところに気を配っています。
そういえば、正月休み中にアニマックスで『チェブラーシカ』を観たなぁと。
アニマックスで午前中にやってたのに、吹き替えじゃなく字幕だったことに驚きましたが、これもなかなか楽しかったな。4つの短編で構成されてましたが、だんだん物語が大雑把になっていくのが気になりましたが。3話目のいたずらおばさんは何だったんだと。4話目も唐突に終わってしまってなんか物足りない。う〜ん、子供向けだからか?
そもそも寂しい感じがしすぎるのですが、それは寒い国の作品だからなのかな?
そして海外は子供向けというか、大人の視聴者ってのは考えてないのかな?
楽しいんだけどどこか違うよね。無かったからといってどうということもない細かいところにも拘るところが違うのかなぁ。やっぱいい年こいた人間が観てハマるのはそういうところだろうと思います。
可愛さが人気なんでしょうが、“こま”の動きの可愛さは素晴らしいよ?
そしてどちらの作品も“ともだち”というのがテーマになっていますね。
子供らしいテーマなんでしょうが、単純に一人より二人のほうが楽しいよねということかな。一人でアニメを撮っていた話から始まり、友達にその映像を見せて、次は友達を撮るという流れでいい感じですよね、『こまねこ』。
そういえば最近チェブラーシカが日本生まれだとかいう記事がありましたね。
産経ニュース
まぁ似てるっていてば似てるかもしれないけど……。もし本当に日本のこの人形を元にしていたとしても、まったく違うものとなっているチェブラーシカに対して云々言うことは無いんじゃないのかと思うよ。
なんか『チェブラーシカ』はロシアで権利問題がいろいろあったらしいので、その延長なのかな? あんまり巻き込まないでほしいものです。
チェブラーシカ - Wikipedia
最後に公式サイトをメモ。
こ ま ね こ
チェブラーシカ オフィシャルサイト - Cheburashka Official site -
『チェブラーシカ』
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http://asahi.co.jp/m1gp/index.html
見逃しそうになりましたが。毎年もっと年末だったよね。
チュートリアル優勝。これは納得。冷蔵庫だけで何やらかしてんのよ。
個人的な感想では、チュートリアルとフットボールアワーとライセンスがベスト3。
かなり興味があった変ホ長調は少々場違いだった感じ。時事ネタっぽい面白さだからなぁ。笑ったけども。なんか「エンタの神様」系の微妙さだった。しかし彼女たちより低い点数をつけられたPOISON GIRL BANDはかわいそうな感じだな。マグロ良かったよ?
牛乳 と 紙パック
相変わらず『よつばと!』の最新刊を暇があると読んでいるわけですが。
毎回なんかこう読んでしまいますな。始終読み返したくなります。少なくとも今年いっぱいはパラパラとページを繰ることでしょう。定着してしまった、ふーかの貧乏くじっぷりがたまりませんね。がんばれ。
で、さっそくビンの牛乳を買ってきてしまったわけです。
なんか前にもこんなことあったよなぁ、と思い出し漫画本をほじくり返して見つけたのが『国立博物館物語』の1巻。
そう、これを読んだときもビンのちょっと高い牛乳を買いに行ったんだよ。そのクリームが浮いたやつ。初めて飲んだけど旨かったですよ、あれは。そして2ヶ月くらいはその牛乳を買っては飲んでました。
ということで同じ店に久しぶりに買いに行き少々お高い牛乳を手に取ったわけですが、あれ? 昔買ったのと違うぞ? とりあえず購入し家に帰って飲んでみたところ味が違う。あまり際立って旨くない。ていうかそれ以前にクリームが浮いてない。
がっかり。
牛乳といえば紙パックですが、注ぎ口に指を突っ込んで開ける人って結構いるんですか?
この『よつばと!』でも誰かがそうやって開けてたなぁと思い出して1巻から眺めていたら、あさぎがそうやって開けてたよ。とーちゃんだったと記憶してたんだけど。ダメだな、あさぎさん。そんな開け方をしたら。
ゆうきまさみの漫画でも指を突っ込んで開けてたシーンがあったように思い、『鉄腕バーディ』をパラパラとしたんだけど見当たらず。『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』だったか? と思い、漫画の山の奥から引っ張り出してきたコミックスをざっと見てみたんだけど、ヤバイ。1巻からじっくり読み直したくなってきたよ。これはまずい。
そんな気持ちを抑えつつ、牛乳パックの開け方。
注ぎ口に指を突っ込むなぞ言語道断ですよ? 開け方を指南してやろうかと思ったんですが、さすがはWeb。ネットは広大だわ。動画がありましたね。
ステッカー自作のサイト:自分で手作りするオリジナルステッカー
業務用商品のご案内 | タカナシ乳業株式会社
牛乳パッケージの上手な開け方 -明治乳業
よっぽど紙パックの開け方すら分からない奴等が多いとみえる。
困ったものだ。
どんなときも ぎゅうにゅうだぞ?
ということで『よつばと!』はしみじみ楽しいですよ。
ミニ画集を手に入れるために、絵本とCDを買おうかどうしようか。悩むな。
http://www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/music/yotsubato/
あと、最高の“ギューアテ”はメロンパンだと思っているんですが……やきそば?
『それでも町は廻っている』2巻さぁギューニスト諸君! 共にギュー飲しようではないか!!
『国立博物館物語』1巻ううう…オレの牛乳が…
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はてブ経由で『ドラえもん』のアニメが云々という記事を読んだ。
自称ドラえもんファンの方々の意見の方に違和感があるなぁという印象。別に『ドラえもん』はあなた方のものでもないんだよ? 特に亡くなったF先生の思いという妄想で意見を封じようなんて言語道断だと思うがね。
何でF先生の漫画と、先生じゃない人たちが作ったアニメを同列に語るんだろう? 違うに決まってるじゃん。その時その時代にあった作品に作り変えることを許容する『ドラえもん』という作品を生み出したF先生を称えるべきではないのかな? 作り変えた人を非難するのではなくて。
じっさい今の時代に受け入れられていることは視聴率から見ても言えそうなことだし、“「勘違い」のコメント”と断じられても仕方なかろうと思いますよ。数年後にはまた違う『ドラえもん』が受け入れらているかもしれないし。ファンの“意見”というには押し付けがまし過ぎる印象。
情報元がどんな状況だったか分からないんですけど、この記事はどうかなぁと。『ドラえもん』のことなんか実はどうとも思っていないような気もする記事だよね、これ。
なんか
サーチナ-searchina.net
これと同じような気分を抱きました。
ブクマのコメントを読んだらそう偏ってもいなくて安心しましたが。
しかしファンダメンタリストって多いんだなぁと。怖い勢力だ。
執着 と 狂気
傾城というかファム・ファタルというか。
性愛的要素はあまり感じられませんが、ある美貌の男のために身持ちを崩す2人の男の話ですね。
そんな『王の男』を観ましたよ。
パンフレットに岩井志麻子が「桁外れの破格の悪女」とか書いていたので、思うところは同じようなものなんだなと。この美女と見紛うような男が情が深い上に、これがまた天然でして。自覚がない分罪作り度が増すわけですよ。こういう人物に振り回されるんだよね、人って。
「あーもう 一番のガンはこのこだよっっ」
「自覚がないっつーのがまた困るのよねぇ」
って感じ。
困るよね、憎めないから。
16世紀初頭の韓国。芸人が政争に利用された上に、時の王である燕山君に気に入られてしまい、その芸人たちがあたふたする話。
つまんなくは無いけど、どうもストーリー進行が強引だ。山の天辺で唐突に盲を笑いものにする芸が披露されて呆然としたんですが、まぁ最後のほうに繋るんですね……なるほど。それに、クライマックスでむさくるしい方の主人公が何故綱渡りをすることになるのかもよく分かりませんでしたし。ああいったシーンを撮りたかったのは分かるんですけど、もう少し自然に組み込めなかったのかね。なんかあからさまで気分が萎えますな。
でも、おおむねの物語は興味深く楽しめましたよ。無自覚な男が男を振り回すというね。もしかしたら腐女子大喜び? って気もしましたが、欲情が無いのでそうでもないのかな。妄想でカバーできるのかもしれませんが。
その振り回される男の片一方、燕山君の狂気がとてもいい感じ。この狂いっぷりが案外理解しやすく演出されているのがいいなぁと。きっと芸人の2人が主人公なんだろうけど、この王様のほうが格段に深みが感じられる。顔を見るだけで、こいつはアブねぇ、と危機感を抱かせるチョン・ジニョンの演技は見事ですね。芸人たちがこの王を持て余す演出もいい感じ。イタタタタ……って。
王がおかしいのか重臣たちが悪いのか、いまいちハッキリしないところも良かったのかなと思いましたよ。
しかし、韓国映画でときどき見かける、あの食事の汚さってどうにかならないのか?
『ハチミツとクローバー』5巻離れられない理由なんてこの痛みひとつでじゅうぶんだということ――