貝毒 と 時代劇

『武士の一分』
監督:山田洋次
原作:藤沢周平
出演:木村拓哉
   壇れい
   笹野高史
   坂東三津五郎 他
2006年/日本/121分

今回の日本アカデミー賞の優秀賞を眺めてたら、この前『武士の一分』を観たけど感想を書いてないなぁと。で、書いてみる。


どうせ主人公・木村拓哉だしそういう作品だろうなぁ……でも、もしかして。とわずかに期待を抱きつつ観にいったわけですが……思ったとおりかよ。
相変わらずの微妙に不器用な信念の人を演じた木村拓哉でしたが、盲目の武士をいい感じに演じていたので、なんか役で損したんじゃないかなと思う。せっかくの映画作品なんだからもう少し毛色の違う役だったら面白かったのになぁと。
たそがれ清兵衛』、『隠し剣 鬼の爪』とだんだん楽しさが薄れていっている感じはしますね。“時代劇三部作”ということで今作で打ち止めらしいんですが、これが有終でいいのか?


毒見役の武士が貝毒にあたって盲目になり人生を悲観するも、妻とのいざこざからある男と決闘をしようと眼が見えないながら剣に勤しんで云々という話。


ノロウィルスか? タイムリーだなと思っていたんですが、貝毒ってのがあるんですね。時期的にも貝毒ですね。でも眼にくるって記述はなかったなぁ。まぁ注意しましょう。
http://www.city.sakai.osaka.jp/city/info/_hoken/shokuhin/kaidoku.html
貝毒について

ていうか、赤貝って二枚貝なのに小林稔侍は巻貝投げてたよな、と思いググってみたら、“赤ツブ貝”ってのがあるらしいですね。こっちは巻貝。ツブ貝にはテトラミンっていう神経毒があるものがあるのでこれも要注意。

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まぁ、それはともかく、お話はなんのひねりもないというか、予告を観て思っていたとおりの話だったので驚きましたよ。木村拓哉を主演にするとこんな話にしかできないのか? と穿ってみたり。きっと原作からこんな話なんでしょうが。
キャラ設定も単純でなんか見所が無い。坂東三津五郎が演じる敵役はちょっと不思議な感じで最終的には面白かったですが、そういう感じに演出したのか、単純な描写不足からそんな印象を与えたのか良く分かりません。
全体的に悪くは無いけど物足りないといったところか。三村家3人の日常会話は楽しかったですがね。

いい感じに使い古した感があるセットや衣装は相変わらずいいなぁと思いました。あと、時代劇もだんだん仰々しさがない方向にすすんでいくのかなぁと。若い人がついてこないのかな。