コマ撮り と ともだち

こまねこ
監督:合田経郎
声の出演:瀧澤京香
     阪脩 他
2006年/日本/60分

可愛らしい。
生き生きとして楽しそう。
そして時々色っぽい。


アニメーションの楽しさってのはこういうところにあるんだよなぁ、と感じました。上手く説明できないけど、やっぱ表現の仕方に制限があるからこそ製作者の意欲なんかがより見えてきて、それを感じられるところに楽しさがあるのかな、と思ったり。
ということで、“こま撮りえいが”『こまねこ』を観てきましたよ。


あのNHKのBS放送開始10周年記念キャラクターである『どーもくん』を生み出したという合田経郎監督の作品。それを聞いて俄然観にいく気になったですよ。はじめて『どーもくん』を観て即座にはまったことを思い出しました。クレーンゲームで人形をとりまくったものだなぁと。

こまねこ』も同じように、ほのぼのした主人公のある日を描いたストップモーションアニメ。3つの立体アニメと2つの“半”立体アニメで構成された作品です。『よつばと!』なんかが好きな人なんかにおすすめできるのではないかと。3つの立体アニメ方はね。


とにかく劇場で公開する作品を作るきっかけになったという1話目の『はじめのいっぽ』は出色。こま撮りされたアニメの主人公が作品の中でこま撮りの作品を作るという、なんだか無茶な感じもするそんな構成を聞いただけで魅力を感じてしまう作品。
これがかなり楽しいです。冒頭のカーテンを閉める主人公の“こま”の楽しそうな動きを見ただけでこれはいいぞ、と思いました。ままならない作品作り。そして出来上がった映像。嬉しくなってきますね。
しかしあのディープキスはどうかと。こまちゃん、激しすぎませんか?


2話目、4話目は“半”立体アニメーション。これはまぁまぁ、といった感じ。ブレイク的なものと考えればなかなかかな。
3つめのお話は小道具ががしがし動くのが楽しいです。
最後の5話目はちょっと長めの作品。森で見かけた雪男に驚き持っていた人形を無くしてしまい悲しむこまでしたが、その後夜のうちに人形を家に届けてくれたのは雪男だと確信しもう一度会おうと頑張る話。タイプライターを叩いて外に出る“こま”が可愛い、こういう細かい演出も巧い感じ。こまの天真爛漫さというか素直な純真さがとってもいい気分にさせてくれましたよ。

けっこうセットの小物にも拘っていて隅々まで楽しめますね。スケッチブックにクレヨンで空を描くシーンなんか驚きましたよ。ホント細かいところに気を配っています。


そういえば、正月休み中にアニマックスで『チェブラーシカ』を観たなぁと。
アニマックスで午前中にやってたのに、吹き替えじゃなく字幕だったことに驚きましたが、これもなかなか楽しかったな。4つの短編で構成されてましたが、だんだん物語が大雑把になっていくのが気になりましたが。3話目のいたずらおばさんは何だったんだと。4話目も唐突に終わってしまってなんか物足りない。う〜ん、子供向けだからか?

そもそも寂しい感じがしすぎるのですが、それは寒い国の作品だからなのかな?

そして海外は子供向けというか、大人の視聴者ってのは考えてないのかな?
楽しいんだけどどこか違うよね。無かったからといってどうということもない細かいところにも拘るところが違うのかなぁ。やっぱいい年こいた人間が観てハマるのはそういうところだろうと思います。


可愛さが人気なんでしょうが、“こま”の動きの可愛さは素晴らしいよ?


そしてどちらの作品も“ともだち”というのがテーマになっていますね。
子供らしいテーマなんでしょうが、単純に一人より二人のほうが楽しいよねということかな。一人でアニメを撮っていた話から始まり、友達にその映像を見せて、次は友達を撮るという流れでいい感じですよね、『こまねこ』。


そういえば最近チェブラーシカが日本生まれだとかいう記事がありましたね。
産経ニュース

まぁ似てるっていてば似てるかもしれないけど……。もし本当に日本のこの人形を元にしていたとしても、まったく違うものとなっているチェブラーシカに対して云々言うことは無いんじゃないのかと思うよ。
なんか『チェブラーシカ』はロシアで権利問題がいろいろあったらしいので、その延長なのかな? あんまり巻き込まないでほしいものです。
チェブラーシカ - Wikipedia


最後に公式サイトをメモ。
こ ま ね こ
チェブラーシカ オフィシャルサイト - Cheburashka Official site -