糖尿病 と バランス

yahooのニュースで“小倉智昭の「明るい糖尿病生活」”なる記事を読みました。
昨日の11月14日は“世界糖尿病デー”なんですね。
1921年医学生だったチャールズ・ベストとともにインスリンを発見した整形外科医のフレデリック・バンティングの誕生日が11月14日なんだそうです。1991年に国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機構(WHO)が定めたとか。

糖尿病ネットワーク Diabetes Net. - 生活エンジョイ物語

『シュガーな俺』
著者:平山瑞穂
世界文化社

たまたまだったんですが昨日から読み始めて今日読み終わったのが、平山瑞穂『シュガーな俺』。突然糖尿病を発症した主人公が病気と折り合いをつけていくお話。
別にそれに合わせたわけではないんですけどね。シンクロニシティってやつですか?

「糖尿病は、基本的には一生治らない病気です。」

いやぁ、大変だ。っていうか他人事じゃない。

多分に作者の実体験を反映しているであろう主人公が身近な感じのキャラに描かれているところがいいですね。
完璧主義者ゆえかちょっとの挫折で簡単に折れてしまい、言い訳たらたらで無茶をするので、病人なんですがあまり同情感がわかない。でも勉強家でありながら適度なだらしなさもあってそれほどの嫌悪感もわかない。このキャラがノンフィクションっぽいフィクション作品であるこの闘病記を支えています。
絶妙なバランス。巧いな。
他人を見る眼が時々イヤ味ですが、本人も苦悩するので許せる感じです。


タダで読めるサイトがこちら。
漫画、コミック!電子書籍と情報の総合サイト 書籍数50,000点:@niftyエンタメ


先月、中川昭一政調会長が「ごちそうを食べ過ぎて糖尿病ですから」などと発言して日本糖尿病協会副理事長が「昔のように糖尿病を“ぜいたく病”や“金持ち病”と言うのは事実と違う」と不愉快に思ったらしいですが、日本での患者の9割以上を占める2型糖尿病は乱れた食生活が原因にもなることから、全くの偏見とも言い難いんじゃないかなとは思います。贅沢していなくてもなる可能性があるので言われたらイヤだというのも分かりますが。
こういう、ある意味常識になっている言説を覆すのは地道な努力が必要でしょう。それに、“ぜいたく病”という偏見が一種の抑止力になって……ることはないか。


ついでに“糖尿病エッセイ大賞”の受賞作を読んでみたんですが、1型糖尿病の方は自分から「私は1型糖尿病です」とハッキリ言っているようで、「私は2型糖尿病です」と言う人はいないよう。患者の中でも自分の不摂生で病気になったという後ろめたさや偏見(?)があるのかな、と思います。自己責任って言葉が好きな民族ですし。

http://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_06_essay.asp

若いころから一生付き合わなければならない病気にかかった1型糖尿病患者のほうが、前向きに考えやすいのかもしれませんが。平山瑞穂小倉智昭みたいに前向きなことはいいことですよ。「空元気でも元気」って言葉もありますしね。


電子書籍@nifty『シュガーな俺』のコメント欄には

 1型オフ会で、全員いっせいにインスリン投与、大量飲食などして、盛り上がったりしています。自己分泌だけの2型には、とても真似ができません――ま、食べる時は私も食べますけど。

なんていうコメントもあり逞しいなぁと。きっとエッセイを書いたり、ウェブ上でコメントしたりする人はあまり心配ないんでしょうね。
しかし、「糖尿病になって良かった」ってのはいくらなんでも言いすぎだろう。


ま、糖尿病に限らず、原因を過剰に責める風潮を無くす方向へ向かったらいいと思います。いじめ問題とかもね。
そして自分自身摂生に努めようかと。一生ノンシュガーでいたいですよ。



ニュースは消えてしまうかもしれないのでメモ。

小倉智昭の「明るい糖尿病生活」

 人気キャスターの小倉智昭(59)が14日、都内で行われた糖尿病に関するイベントにゲストとして出席した。世界糖尿病デーにあたり、米製薬会社がインスリン療法を50年以上続けている患者を表彰するもの。20年以上前から糖尿病を患い、同療法を続けている小倉は「糖尿病は友達」と明るい闘病ライフを語った。

 フジテレビ「とくダネ!」(月〜金曜前8・00)などテレビ4本、ラジオ1本のレギュラー番組を抱える小倉が、糖尿病と付き合いながらの売れっ子ライフを語った。「第4回リリー インスリン50年賞」(主催・日本イーライリリー株式会社)の表彰式でスピーチしたもので、「父も母も糖尿病。インスリンで家族の絆(きずな)が結ばれている」などと話し、集まった患者やその家族ら約60人をなごませた。

 糖尿病であることが分かったのは20年ほど前。テレビ番組の企画で血糖値を測ったことがきっかけで、医師から「間違いなく糖尿病です。あす病院に来てください」と宣告されたという。「以前、トイレで隠れるように注射をしていたら(ネット上の)掲示板で“麻薬を打っている”と書かれた」との笑えない!?エピソードも披露。

 司会者やアナウンサーはストレスがたまるので糖尿病になりやすいとも指摘し「皆さん、言いませんが、血糖値の高い司会者は結構いますよ」と“暴露”。「糖尿病じゃないと名司会者じゃない」と笑わせた。

 今でも週に1度はゴルフに行くなど、趣味、仕事とフル回転で毎日を楽しんでいる。酒もたばこもやめ、人生の楽しみは「ゴルフとコーヒー」とし「糖尿病を治療しないといけないとか、闘わないといけないという気持ちはない。友達だと思って付き合ってますよ」と、前向きな糖尿病ライフを提案した。
スポーツニッポン) - 11月15日6時4分更新

「指導者、糖尿病だから…」
中川昭氏、北朝鮮問題で発言

 自民党中川昭一政調会長は20日夜、静岡県浜松市で講演、北朝鮮が核弾頭を搭載した弾道ミサイルで日本を攻撃する可能性について「普通は思わないですが、あの国の指導者は、ごちそうを食べ過ぎて糖尿病ですから、考えてしまうかもしれない」と述べた。糖尿病患者から反発されるのは必至だ。

 中川氏は講演後、記者団に「国民が貧困にあえいでいる一方で、指導者が、ぜいたくざんまいをしているのはおかしいという趣旨だ」と釈明した。

 講演で中川氏は、日本の核兵器保有議論の必要性を訴えた発言が内外の批判を浴びたことについて「万が一のことが起こった時に、どうなるかと考えるのは政治家として当然だ」と反論した。

 メールなどによる国民の反応については「賛成も反対も、圧倒的に日本の安全を考えている人が多い」と紹介。「自分の国は自分で守ることから始まらないと、日米安保も国連も機能しない」と強調した。

 ◆ぜいたく病でない

 <豊田隆謙・日本糖尿病協会副理事長の話> 昔のように糖尿病を“ぜいたく病”や“金持ち病”と言うのは事実と違い、発言は偏っている面もある。糖尿病を、悪いことをする代名詞のように使われるのも不愉快だ。協会として糖尿病への差別や誤解を取り除く活動をしており、(発言には)引っ掛かる部分がある。