殺し と 赦し

『ソウ3』
監督:ダーレン・リン・バウズマン
原案・脚本:リー・ワネル
2006年/アメリカ/107分

男女4人くらいで来場したグループの一人の女性が残虐カットでいちいち声を出を上げていたんですが、何故かだんだん反応がなくなっていく。眠ったわけではなさそうなので、慣れたのか麻痺したのかホラー映画に怖がる女の子を演じるのが面倒くさくなったのかどうか分かりませんが、静かになったのはありがたかった。


というやっぱり顔をしかめるシーン満載の『ソウ3』ですよ。
1作目からもうすぐ死ぬと言い続けてまだ生きているジグソウを生き長らせるために拉致られた女医さんに仕掛けられるゲームと、息子を事故で亡くし自堕落な生活をしている男に仕掛けられるゲームが平行に進んでいきます。今回ちょっと変わっているのは、男は殺される心配がなさそうに見えるところ。精神的にはとっても苦しむんですけどね。


前作の『ソウ2』は痛さだけが際立ち、仕掛けも単純であまりスリルを感じられない作品だったんですが、今作は痛さもさることながら見ごたえのある作品になっていました。『CUBE』と同じで盛り返しましたね。話の組み立ても似たところがあるかな。
しかしこっちは前2作をの関連をこれでもかというくらいに打ち出してきますので、『ソウ3』が始めての人は痛いだけかも。最初に無慈悲な殺人シーンを2つも用意したのは、前2作を見ていない人のためだと思いますので配慮はされていると思いますが。だって話の流れからすると、肋骨開かれる人必要ないよね。
4作目は無いよってことなのかな?


今回は拷問器具も趣向を凝らしてありまして、腐った豚は凄いなと思いました。あれで蛆とか涌いていたら最高だったかも。しかし今まで不潔な恐怖を志向していなかったようにみえたのでちょっと驚きました。
とにかく痛いシーンは健在。これを観に来たのだからグロすぎるくらいがちょうどいいのかな。当然あんな目にはあいたくないですが。しかし、あのラッシュは眼がチカチカするので光を抑えるかなにかしてほしかった。観客への肉体的な苦痛は止してほしいね。


ラストに際してのあの畳み掛けるような展開は圧巻。
いや面白かった痛かった。
欲を言えば、前作までにあった疑心暗鬼により精神的に追い詰められる様があったら良かったかな。


家に帰ったらちょうど1作目がケーブルテレビでやっていたのでなんとなく観ていたんですが、そういえばジグソーパズルのピースの傷ってのがあったね。どこいっちゃったんだろう、このネタ。

『ソウ』
やっぱ最初のインパクトは大きかった。

『ソウ2』
これはちょっとイマイチか。