メガネ と 戦隊モノ

『スワンパン』
著者:一條裕子
ビッグ コミックス スペシャ

今年に入ったくらいから漫画を読むペースが格段に落ちている。にもかかわらず購入するペースはさほど変わらないので読んでない漫画の山が林立している今日この頃。年末までにこの山を2、3突き崩したい。


で、とりあえず読んだのが『スワンパン』でした。
町で若い女性を助けていたおじさんがそろばんを持っていたのを見た少年が正義の味方ソロバンレンジャーに入隊することを目指してそろばん塾へ通う話。
そもそも“スワンパン”って何やねん、と思って検索したらWikipediaの“そろばん”の項目がヒット。中国語でそろばんのことらしく、これが訛って日本語のそろばんになったとか。ほほうと思っていたんですが、コミックの帯に「中国語でそろばんの意」と書いてあった。よく見ないとね。


最近の一條裕子作品の中では一番のヒット。
そろばんの極意をつかもうとする勘違い少年の話がメインではあるんですが、脱線しまくり。手書きの葉書をスキャナで取り込んでメールするおじさんの話。「“顔だけがとりえの女”と呼ばれるより、むしろ負け犬でいたい。」と主張する9歳の女の子の話。どれもじわじわと楽しい良質のコメディ漫画。

『ひめなカメナ』
1巻
著者:結城心一
REX COMICS

他に読んだのが『ひめなカメナ』の1巻。これは最近の。
結城心一の最新連載作ですが、まぁ相変わらず。『ももえサイズ』ほどのマニアックさは無い感じか。裏ストーリーはありそうですが、なんか『ゲノム』みたいではあります。いや、『忠犬ディディー』か。
実は姉の亀であるランドセルを背負った女子高生を中心に迷惑が広がるスクールライフ。よく分かんないけどそんな話。


たまたまだけど面白かったのが、プールの授業でメガネをはずした女の子が言われるこのセリフ。

メガネっ娘が存在意義を自ら放棄するとは……自殺行為だぞ


これが『スワンパン』だとこうなるのですよ。

メガネの陰に逃げ込んでんじゃないのかよ

言われた少女は

そうよ、メガネキャラとして生きるほうがラクだったのよ。
メガネなら、
おしゃれなんかに気を遣わなくていられるし、
ちょっと地声がデカくたって、
小銭好きだって、
(中略)
ムダ毛の手入れを怠ったりしたって、
誰にもがっかりされない。

と続きます。


この一條裕子結城心一メガネっ娘に対する認識の違いが面白かったよ。
旧世紀と新世紀のメガネ観の違いが。ただフツーな感性ととオタクな感性の違いなだけかもしれませんが。
メガネが萌えアイテムになって久しいですが、メガネを外すとカワイイ、のと、メガネをしていてカワイイのとで、やっぱり属性は厳密に分かれているのかな?

『まとちゃん』
著者:結城心一
REX COMICS

で、当然のように『まとちゃん』も読みましたよ。
虫を愛でる少女の小学生ライフがつづられる4コマ漫画。最後のほうのヨタボールは無いだろうと思うんですが、これは『ひめなカメナ』と同じ発想なのかな。まあダラダラと楽しかったですよ。
甲賀忍法帖』ネタがあるとふんだんだけどなぁ。蟲毒とか。ベタか。
そうか、これで『ゲノム』が思い浮かんだんだな。ああいう作家が虫を好きなのは基本なのか?


そして“ダイモンジャー”と“ソロバンレンジャー”から、小学生はやっぱり戦隊モノかぁ、ということでシメ。

『忠犬ディディー』
「あまりのいやらしさにメガネが割れたぁ!!」