賭け と 勝負

『007 カジノ・ロワイヤル
監督:マーティン・キャンベル
出演:ダニエル・クレイグ
   エヴァ・グリーン
   マッツ・ミケルセン
   ジュディ・デンチ 他
2006年/
イギリス・チェコ・ドイツ・アメリカ/
144分

「こたえてくれ!! おいらの魂よ!!」


とか言ってほしかったわけでもないんですが、ポーカーが全然おもしろく無かったですな。ルール的にはけっこう真っ当らしいんですがね。ベットなんかがもっと分かっていれば面白かったのか?
で、Wikipediaの記事を読んだら、駆け引きはそれほど重要な要素ではないようなことが書いてあってがっかり。まぁしかし、娯楽フィクションなんでもっと楽しませてくれよ。

ポーカー - Wikipedia
オールインのライセンス!? | PokerNews


ジェームズ・ボンド ビギニング”といった感じの『007 カジノ・ロワイヤル』ですね。マンネリ感を払拭する意味合いでも、流行に乗った原点回帰はいい考えだったんではないかと。けっこうフレキシブルだね、007製作委員会も。

飄々としていない冷徹に真摯な若かりしジェームズ・ボンドはなかなかいい感じ。不安要素は、これから先のダニエル・クレイグがどれだけ軽やかさを演出できるかだけ、って思えるくらいに今回の才気溢れる若き諜報員は似合ってました。
腹がぽっこり出ているような感じだったのが気になりましたが。

実はボンドシリーズにそれほど思い入れは無いので、誰が主役をやろうとそれほど気にはしてなかったんですけどね。まぁ、ユアン・マクレガーはあり得無いだろうと思ってましたが。
次も当然ダニエル・クレイグだよね。


カードゲームで大金を作ろうとする悪い組織の男をこらしめてやろうとしたジェームズ・ボンドがあたふたする話。


けっこう見所のはずのポーカーがイマイチだった以外は、けっこう満足できる娯楽アクション大作。まことに007らしく、それほど頭を使わずとも楽しめるエンタテインメント作品に仕上がっていましたよ。
『YAMAKASI』もかくやという猿のように高所や建物内外を飛び跳ねる冒頭の追跡劇は見入りましたし、退屈させないためか上手いタイミングで差し込まれる短いアクションシーンもいい感じ。流石だね。

正直なところ最後のほうは気力が続かなくて、もうそろそろ終わってくれんかな、とも思っていたんですが……まぁまぁ、ね。おもしろかったね。


で、ポーカーなんですけどね。
駆け引きでね、一回くらいギリギリのところでさ、降りたりするシーンがあったらかなり違ったと思うんですけど。どの勝負でもボンドと敵キャラの2人がつっぱって、そりゃ当然片方が勝って片方が負けると。で、話の流れからどっちが勝つか負けるかなんて分かるしさ。それならそれで、それでも尚、っていうような緊迫感がほしかったよなぁ。


そこで、前回記事にした『マルドゥック・ヴェロシティ』の前作であり続編である『マルドゥック・スクランブル』。
これのポーカー勝負は凄かった。なんでこんな近未来SF作品で血反吐を吐くようなポーカー決戦が繰り広げられるような物語になってしまうのか、驚くと同時に堪能したわけです。

心の底に虚無を湛える仕事人。けっこう007にも通じるハードボイルド。
やっぱ時間をつくって再読しないとなぁ。


そういえば“スプレンディッド”ていうホテルが出てきたけど、それは本当にあるのか、ダニエル・クレイグが出てるからのネタなのか。
それとオープニングの乳首にクラブはどんなセンスなんだと笑いましたよ。

『マックス!!!鳥人死闘篇』
『YAMAKASI』よりはこっちか。
建築中のビルとか走り回るし。